読む姿勢、読む環境

年末に体調を崩し、ようやく調子が戻ってきたかな、と思うのですが、未だどうにも読書欲が戻らずに困惑しています。
本の虫、というほどではないにせよ、本を持たずには電車に乗れない、という程度の本好きなのに。
クリスマスプレゼントに、「Reader」をいただいたにも関わらず、読みたいオンノベはほとんどがDLできなくて、仕方なしに自分の小説(と、DLできたわずかの小説)を移住させるという、なまぬるい悲劇も起きたりして、私自身の「読みたい」気持ちと手元にある本とがうまくかみ合っていないような気もします。

そんな中で読んだ、小川一水「天冥の標Ⅵ PART3」。サブタイトルの「宿怨」が示す通り、2巻「救世群」から脈々とうねり、受け継がれてきたプラクティスたちの思いが爆発した、濃密な物語の中にそんな恐ろしさが感じられました。
小川作品の常として、文体は淡々としています。冥王斑のパンデミック(太陽系規模の!)で人々の居住区が滅び、生活の灯が消えてゆく。
それは想像するだに恐ろしいことなのですが、赤外線放出量、と表現されているのが生々しさに覆いをかけているというか、理知的というか。
グロい、エグい、というわけではないのに、物語上で起きている災禍の規模に呆然とするしかありません。
これもすべて、言葉の力。
書くってすごい。本ってすごい。
続きが楽しみでなりません。
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