2014年06月の記事 (1/1)

「リドゥリー・シュライア」3章(1)アップ

「リドゥリー・シュライアの不幸と幸運」 3章(1)アップしました。


新章突入ですー!
国境の街であれやこれやします(曖昧)。
章タイトルのファントムさんは(4)からの登場です★←誤魔化しきれない影の薄さよ……。
つくづく、同人誌版ではそっけない章タイトル(3章は「国境の街カリト」)にしてよかったと思います。

当初は、便利屋としてアリアンやファントムさんと関わって、事件や依頼をこなすことでリドの成長が云々、というようなことを考えていたんですが、あまりにRPG的、あまりに少年漫画的なのでテンションが下がり(なぜ下がる)、枚数的な事情もあって、今のような形に落ち着いたんです。
一年ほどこの作品にかかりきりだった割には課題が多く残った作品で、そのあたりがすごく悔しいです。
課題は次回作以降でクリアできてたらいいな。



話変わって、ついにレンタルコミックというものに手を出してしまいました。
以前からツタヤディスカスに登録していて、DVD、BDやCDはネットレンタルしていたんですが、レンタルコミックはすごく割高感があるので立ち入らないようにしていたんです。
一冊当たりの値段からすれば、ネカフェや漫喫行った方が断然安いですからね。
ところが、某漫画をおすすめされたことにより、漫画読みたい熱がメラメラっときまして……魔が差したんです……。

気になるタイトルはいくつもあるので、30冊くらい余裕で借りれるんですが、30冊を読むことによって消費される時間以外の何かのことを考えるとどうも気が進まず。
15冊借りました。
(ツッコミ無用)

いや……面白かったし楽しめたんですが、15冊なんて消費するの一瞬ですよ。
そして読み終えた山を見てすごーく虚しくなって。
近場で通いやすい漫喫探そうと思います……(遠い目)

スポンサーサイト



本気と書いて

先週の試練:2枚


20枚じゃないです2枚です。800字です。
前の記事で書いた「先週・先々週で70枚書いたから別にいいかな~」が現実となってしまったようです安西先生!
イヤー! 鬼の安西先生がご降臨しちゃう!
今週は頑張る! ほんとほんと!!

先週何してたかというとアレです、「日本史C」の感想文。
言い訳じゃないけど、感想文全部合わせて(重複部分のぞく)20枚あるんですよ……それから更にノルマこなすなんてぼくには無理だよ眠くなってきたよパトラッシュ。
それから、土曜に「村上海賊の娘」の下巻がようやく手元に届きまして。図書館本なんですが、ものすごい予約入ってるの知ってるから急ごうと思って(建前)、原稿放棄して読みふけってました。めっちゃ面白かったです!
ちゃんと日曜の朝に図書館に持って行ったよ……よく頑張ったよ、私。


真面目な話、残りの枚数的に今月中に完結することも不可能ではないので、気合入れ直して頑張ります。
バイトも2日しか出勤しないし! やればできる子!

「リドゥリー・シュライア」2章完結しました

「リドゥリー・シュライアの不幸と幸運」 2章(5)アップしました。
2章完結です。DL版も更新しましたので、よろしければご利用ください。


来週、3章からはまた違う街へと移動します。
章タイトルのファントムさんは……例によって来週は出ません。まだページを作ってないので断言はできませんが、再来週も出ないと思う……。
章タイトルに名前が挙がってる割に、この影の薄さ!
ファントムさんに至っては、下読みをお願いした家の人に「名前と役の重要度が見合ってない」とバッサリ斬られました(涙)
ともかく、しばらく出ませんので、ぼちぼち続いてるんね、くらいに思っていただけるとありがたいです。



今週は「日本史C」の感想書きに夢中になってたため、自分のノルマがほとんど進んでません。
日曜日はおしごとなので、明日何とかせねば! という状態です。極めてやばいです。
先週と先々週で70枚進んでるから、まあいいか~と思いつつ(注:よくない)、物語的に佳境なので、テンポよくがっつり進めたい気持ちもあって、微妙です。
図書館の積み本がえらいこっちゃ、という以外に予定はないので、せっせと書かねばですね。
↑今日のところの心情なので明日どういう精神状態かは……
(どれだけ気紛れなんだ)


が……がんばる……(棒)




歴史小説アンソロジー「日本史C」感想 その3

「史文庫」の唐橋史さん主催の歴史小説アンソロジー、「日本史C」の感想その3です。お待たせしました!
しつこく免責事項をば。

・歴史は不得意です
・小学校で習ったことすら忘れている可能性があります
・最新の歴史的知識は持っていません
・そのくせ歴史小説やテレビ、映画等から偏った知識を得ている可能性があります
・「必携 日本史C・解釈と鑑賞」も読みました
・NHK大河ドラマを最後まで見たためしがありません
・でも「平清盛」はもうすぐ見終えます(あと5話くらい)
・ネタバレは考慮していません



◆庭鳥さん「白い脚」

「曾根崎心中」は以前角田光代さんの本で読みましたが、結末はわかっているのに(正確に言うと結末しか知らない)ぞっとするような美しさ、艶っぽさがあったことを覚えています。死を賛美するわけではないのに、その決断を何人たりとも汚すことあたわず、と尊重されているように感じました。
また、近松がそのように感じた理由としての「白い脚」がすごく印象的に使われていて、筵からのぞく、血を失って白い棒のようになった脚が鮮やかにイメージできました。

その「死」について、赤穂浪士の討ち入りと比較することでインスピレーションを得たというのは歴史クラスタさんならではだと思います。まさに「すごくあたらしい歴史教科書」!
心中への道行の部分が紹介されていますが、ふつうに読んでも美しいことに驚きました。五七調がこうもしっくりくると、日本人の血を感じます(大げさ)。読みあげるとさぞかし凄絶なんだろうなあ。おきん婆さんの隣で正座して聴いていたいような気になります。
近松が白楽天にならっておきん婆さんに読み上げるシーンや、芝居が始まったら竹本座に連れて行ってあげようと思うシーンなど「非情な美しさ」の後の「情」に心が温まりました。


◆巫夏希さん「二刀流の提灯男」

怪談かと思いきや、お江戸ファンタジー!
こうして色々な作品を楽しめるのもアンソロジーならではですね。
喋る妖刀や、無念を晴らすべく提灯男として夜な夜な彷徨う男と、なけなしの贈り物である赤い簪。謎ありいい話ありで、他にもシリーズものとして執筆されているのでしょうか。
ですが逆に、この盛りだくさんな設定が消化しきれていない部分があり、勿体ないと思います。雪斬も無抵抗な相手を斬った(というとめちゃくちゃ悪く聞こえますが)だけなので、提灯男と丁々発止のやりとりがあるとかすれば、物語にめりはりができるのでは。

読み始めた時は怪談かと思い、ガードを固めて読み進めたのですが、いい意味で裏切られました。怖いのが苦手なので、ほっとしてます。


◆鋼雅暁さん「異国の風」

お……お絹かすていらを私にも……! 「日本史C」で初めてのおいしそうな食べもの描写でした。お酒は過去の方々も飲んでらしたけど、古代に遡るほどに調理法は未発達だし、ちゃんとした食べ物は初登場ではないでしょうか。
それにしても、この「かすていら」という一言だけで、異国の香りを感じますね。作品の舞台背景を説明するという意味でも、お絹かすていらの登場はすごく良かったです。

全編通してとても爽やかで、タイトル通り「異国の風」がざっと吹き抜けていくようです(黒船が吹かせた風ではありませんが)。
かすていら(や、もっと他の西洋のお菓子)を食べて大きくなったのだろう英次郎の、異つ国への純粋な好奇心もまるで子供のようにきらきらしていて、これから諸外国へ向けて開かれてゆく、日本という国そのもののように感じます。
コミカルながら重要な役どころの太一郎親分や、オランダご一行の「良い子がいたら、見せる」のスピーディーな様子など、ほのぼのしながら読みました。


◆なぎささん「海より深く空より青く」

原田左之助と言えば、某喧嘩屋のお人のイメージしかなかったのですが、戊辰戦争の混乱の中で亡くなったとか実は生きていたとかいう伝説があったというのは初めて知りました。「奥州女仇討異聞」の所の繰り返しになりますが、死んだと思ってた人が実は……! という盛り上がりはフィクションならではの醍醐味ですね。

兄の死を乗り越えて平和に暮らしたいと願う柚子。
戦火の中、行方の知れない戦友と柚子との間で揺れる左之助。
上野の戦いはかなり一方的で悲惨なものだったようですが、死地をくぐり抜けた柚子と左之助が抱くはるかな新天地と新時代への希望が感じられるような、淡く甘い物語でした。


◆アルトさん「沼辺に佇む」

このあたりになるともう、「ついこのあいだ」というような気になってしまいます。
開国までは、日本の歴史だとわかっていてもどうにも現実感がないのですが、現在につながっている時間だという生々しさが生まれてくるのが、この明治ごろ……というか、日清、日露戦争頃からです(あくまで、私個人の感覚ですが)。

アルトさん「沼辺に佇む」は西園寺公望と原敬が語り合っている、言うなればお芝居のような作品なのですが、飄々とした西園寺の人柄と、それをただ見守るばかりの原、という組み合わせがとても斬新でした。この時代の(実在の)人物が登場する創作作品ってなかなかないような気がします。私のアンテナが反応してないだけかもしれませんが……。
中国、ロシアとの戦争を経て発言力を強める陸軍、明治天皇の崩御、という混乱のさなかにあって、「公の望み」ではなく「(個人としての)望」を万年筆に刻んだ西園寺は、本心ではなにを思っていたのか。原が言うように「深い深い沼」のような静寂と寂寥を感じます。


◆保田嵩史さん「端倪すべからず」

この物語を読んで、説教強盗という言葉を初めて知りました。またもやウィキペさんに頼ると、字のごとく、という感じでしたが。
ミステリ仕立てで、「下間某は女装癖がある」と誘導してからの「実は男装でした」というトリック。松吉が説教であると知っている伊東と、取材に余念がない三浦という関係性も面白かったです。ついうっかり口を滑らせてしまうところとか。

ただ、松吉はいつ、下間が男装の女性であるとわかったんだろう、という点が私にはわからなかったです。「二」の段階では「この家には夫婦が住んでいた筈だ」と考えていて、「三」で女装という結論が出たのち、「四」で松吉は女性としての下間を訪ねています。「三」のラストで松吉が笑ったのは「女装じゃなくて男装なんだぜ」とふたりの勘違いを笑っているのだとも取れますが、松吉が真相を突き止めたという描写がないのが、ちょっと気になりました。でも「端倪すべからず」だし……闇は闇のままでいいのかもしれません。
ラストは私はけっこう好きです。

1928年ごろが舞台とあって、なかなか「歴史」っぽさを出すのが難しい時分だと思うのですが、題材となっている説教強盗や赤旗、梶井基次郎など、時事ネタを盛り込んだ楽しい作品でした。





――というわけで全18作、楽しませていただきました!
最後になりましたが、企画の立案から執筆者の募集、編集、「必携~」の制作、販売とすべてをこなされた主催の唐橋さん、そして執筆陣の皆さまに、改めて感謝を。
素敵なアンソロを有難うございました!



歴史小説アンソロジー「日本史C」感想 その2

「史文庫」の唐橋史さん主催の歴史小説アンソロジー、「日本史C」の感想その2です。
念のため再度免責事項をば。

・歴史は不得意です
・小学校で習ったことすら忘れている可能性があります
・最新の歴史的知識は持っていません
・そのくせ歴史小説やテレビ、映画等から偏った知識を得ている可能性があります
・「必携 日本史C・解釈と鑑賞」も読みました
・NHK大河ドラマを最後まで見たためしがありません
・でも「平清盛」はもうすぐ見終えます(あと5話くらい)
・ネタバレは考慮していません




◆翁納葵さん「祈りの焔立つ時 ~俊寛異聞~」

私が唯一前のめりで食いついたNHK大河ドラマ「平清盛」。前のめりで食いついた割には録画するだけしてまだ追いついてませんが(何年越しだ)、そんなわけでこの作品には勝手に親近感を抱いてしまいました。
(ドラマでは鹿ヶ谷はさらっと流されてたような気がしますが……成親の悪さが際立ってましたねえ。「瓶子が倒れておるわ」とかそういう)
その後鬼界ヶ島に流された俊寛の怨嗟と救いを描く作品ですが、語り口が絶妙です。一瞬、ハードル高いかも? と思いましたがいざ取りかかってみると、音読したくなるようなテンポの良さ。そして言葉がうつくしい。「必携~」を読むと、能や歌舞伎もお好きなご様子で、なるほど納得しました。

この時代、流罪になっても赦免になったりと細かに動きがあるようで(現代とは大違いですねぇ)、せっせと歌を卒塔婆に刻んで流したり、景勝の地を詣でて京への帰還を祈る康頼、成経らの姿はいじましいのですが、俊寛はどちらも我関せずを決め込んでいます。罪を罪と思っていなかったと文中にありますが、「何で俺が」「おのれ清盛め」という心もちだったのでしょうか。
康頼、成経だけが京へ戻されてのち、とうに信心など忘れていた俊寛が鬼と化すも、有王によって人の心を取り戻し、やがては弔われて浄土へと旅立ってゆく。このラストが清々しくてしんみりします。人外燃えとしてはたまらない展開です。
このエピソードを扱った能、歌舞伎もあるとのこと、興味はあるのですが、やはりハードルが……っ!


◆緑川出口さん「おやこ六弥太」

SF! と舞い上がった私がおります。(私だけかな……)
「日本史C」では他にないタイプの作品ですね。小平六、六弥太については知識がなかったのですが、互いに矛盾する伝承や史料からこのような解を導かれた、その発想が素晴らしいと思いました。
物語というには起伏が乏しく感じましたが、北関東の乾いた冬と東国の兵の不器用さ、団結力を感じさせる淡々とした、けれど埋火のような熱を感じさせる描写がツボりました……!


◆すと世界さん「業火に咲く花」

北条氏はわかりますが、三浦氏となると……な歴史不勉強者ですすみません!
なので、前半に紙面を割いてここに至るまでの経緯が記されていたのはとても有難かったです。
時は乱世、一門を生かすためには手を汚すことを厭うていられない時代であったにせよ、近しい血縁者を裏切り、死に追いやるというのは、かなり悪辣(というと、語弊があるかもしれませんが)なのではないでしょうか。
光村の言動を見ていても、かなりの自信家、傲慢で不遜な印象を受けます。祟りや生霊を信じて念仏を唱える人々も多い中、「怨霊に恐れをなしてどうする」とわざわざ大魔縁となった崇徳院に会いに行ったり、そこで過去の悪行を見せつけられ、人の業を説かれて震えあがっても、まだ強がってしまうのは、やはり彼自身止まることを恐れ、魔縁の言う業の深さに怯え、怖いと認めることは己の過ちを認めることだと、墨汁の雨と黄色い蝶の幻影に苛まれつつも最期まで強がるしかなかったのかなあ、と想像しました。

唐橋さんの作品にも登場した、因果応報という概念をこの「業火に咲く花」にも強く感じました。
らんが唱える念仏は、光村だけでなく武家社会という業の深い大きなものに向けられているのでは、と思います。


◆向日葵塚ひなたさん「歌え、連ねよ花の笠」

一揆、というと、命がけの決断であるとか、どうせ死ぬなら一矢報いてから……というような、まさに窮鼠猫を噛む、というイメージがあったのですが、この作品で描かれている一揆は何だか非常に和やかでした。
道後温泉の湯が止まって、当人たちが必死なのはわかるんですが、飢饉が心配されるとはいえ、畑仕事と源泉採掘を並行してできる、ある程度の食べものはあるという状況ゆえかもしれません。

また、是光や梧昌、湯顔たちが村に愛着を持っているということが本文のそこここから感じられ、年貢の取り立てに来たお役人も温泉のことを思えば強く取立てできない様子で、神の湯がいかに人々にとって重要なものかが伝わってきました。
「必携~」によると地震とその後の村人たちの団結、復興への希望も、震災になぞらえて書かれたとのこと。殺伐とした中世にあって、まさに温泉地のようにほっと息をつける物語でした。
ああ温泉行きたい……!


◆上住断靭さん「銀蛇」

織田のしょんぼり次男坊・信雄と伊賀とくれば和田竜「忍びの国」で予習済みです。←こういう、何らかの形で関わったことのある時代、人物が登場すると、やはり取っつきやすいです。母の実家が伊賀上野ということで、勝手に(何度目かの)親近感を抱きました。

概要は予習済みなので、正統派時代小説といった雰囲気を楽しむことができました。伊賀勢は一度は織田の侵攻を食い止めるわけですが、いったいどうやって? と。
もしかして「日本史C」を読み始めて初めて時代背景に沿った(でも偏ってる)知識を持っていた作品かもしれません。
楽しみにしていた百地三太夫の忍術は、まさに「そうきたか!」と目を丸くするようなものでした。一朝一夕に為し得ることではなく、忍術の集大成の名にふさわしい大がかりな術で、しかもそれを「忍術は一度見せてしまっては、二度は利かぬ」とあっさり手放してしまえるなんて。
「勝ちすぎた」ことから次は信長本人が伊賀攻めにやってくると読み、勝利に酔いしれる中でも次の布石を打っているところや、文末の「解説」にあった責任を百田にそれとなく押しつける腹黒さも含め、百地三太夫の人となり、楽しませていただきました。


◆狩生みくずさん「奥州女仇討異聞」

人形浄瑠璃の題目をもとにアレンジされた作品とのこと、仇討ちは江戸時代ならではのイベント(といっていいものか)ですが、異なる背景の登場人物が寄り集まっていきいきと会話している、というのはこれまでの「日本史C」の作品にはなかった物語ですね。
特に、おしのちゃんの勝気で健気なところがすごく可愛いです。方言もいい味を出してると思います。
脳内で勝手に、和月伸宏さんの絵に変換して読んでいました。

また、図書之助の系譜を遡れば……というくだりや、姉妹のおとっつぁんは忍びでした、と明かされるシーンにはたぎりました。
血筋が絶えたように見せて実は……というのは、ロマンですねえ。
仇討ちのシーンは作中では描かれていませんが、鎖鎌と吹き矢の宮さん、長刀のおしのちゃん、というのはすごく絵になるなあと感じました。
(仇討ちだし、あんまりキャッキャするのもどうかと思うのですが)





続きはその3で!
もうしばしお待ちくださいませ!



歴史小説アンソロジー「日本史C」感想 その1

「史文庫」の唐橋史さん主催の歴史小説アンソロジー、「日本史C」の感想です。

・歴史は不得意です
・小学校で習ったことすら忘れている可能性があります
・最新の歴史的知識は持っていません
・そのくせ歴史小説やテレビ、映画等で偏った知識を持っている可能性があります
・「必携 日本史C・解釈と鑑賞」も読みました
・NHK大河ドラマを最後まで見たためしがありません
・でも「平清盛」はもうすぐ見終えます(あと5話くらい)
・ネタバレは考慮していません

……というような人間が読む「すごくあたらしい歴史教科書 日本史C」。
的外れなことを書いているかもしれませんが、歴史が不得意な人はこのように読むのか、程度に思っていただけると幸いです。



◆紅侘助さん「刻の彼方より」

韓人のヒダトキ、山の民のシカリ、アヲヤのノダカ、と語り手が次々に変わり、彼らがどう関わるんだろう、とわくわくしながら読めました。
持衰というものを初めて知りましたが、この「航海の無事を祈り、神に捧げる贄」という慣習はいかにも日本的だなあと感じます(というか、このあたりが発端なのでしょうか)。

それはさておき、ラストシーンでヒダトキがノダカたちに助力し、ヤマトの軍勢に立ち向かう姿は、中国や韓国をはじめとする諸外国の文化を取り入れて発展した日本の歴史そのもののように思えました。
なので、上代から時代をくだる構成のアンソロジーのトップを飾るには、これ以上ない作品なのではと思います。
ヒダトキの名が「白い兎」の意であると知らされてようやく、因幡の白兎に思い至ったのは不勉強ゆえですね。お恥ずかしい。


◆白藤宵霞さん「あかのくさび」

こちらは、さまざまな赤、の情景が浮かぶような描写が美しい作品でした。
私事ながら、昔親戚のおじさんに連れられて生駒山までサイクリングに行ったことがあり、もちろん自転車で山を登ったわけではなく、山裾までしか行きませんでしたが、西を見れば東大阪の町が平たく広がっていて、感動したのを覚えています。
(見ている方向は逆ですが)その光景が、眉輪の見た赤に染まる日下江にだぶって、わけもなく懐かしい気持ちになりました。

そして「あかのくさび」は「必携~」で解説と作者さんのコメントを読んで再読すると、また印象が変わるんです。眉輪の決断の台詞が、すごくドラマチックに思えます。


◆ななつほしなみさん「楽土の幻」

登場人物は中臣鎌足、藤原不比等と教科書にも登場する面々なのですが、飛鳥時代って何となく「聖徳太子すごいね!」とか「法隆寺すごいね!」とか「小野妹子は男なんだぜ」とかで終了してしまって、実際にどういう時代だったかというのはあまり印象がありません。
そういう意味で、この「楽土の幻」は舞台裏を覗いたかのような、教科書とは違った点にスポットライトが当たっているような、同人誌ならではの作品だと感じました。

激動の時代にあって、誰の下につくのが一族のためかという打算と、命からがら逃げ延びてきた滅びゆく一族の王子を救おうとする情けとの狭間で揺れる鎌足と、寄る辺なき兄弟の心細さやよすがを求める心の動きが丁寧に追われていて、歴史とは人々の営みであることを改めて実感します(いや、フィクションですけれども)。
燃え落ちた斑鳩の幻を追って唐に渡ったものの、幻は幻のままであったと失意の帰国を果たした真人と、実の両親の名を知らされず鎌足に育てられ、真人の言葉によって未来に楽土を築かんとする史と。
それぞれの楽土、無条件に彼らを許容する幻を越えようとしている兄弟に、日本の文化が花開く時代を思います。


◆唐橋史さん「袈裟を着た人」

歴史的背景というどっしりした土台を感じさせる骨太の物語でした。
物語だけでも十分すぎるほど面白いけど、沙弥から僧服や鉢を奪って体裁を整えた猪麻呂が、その性根とは何の関係もなく有難がられるくだりは、これって今でもあるよね……と感じたり、沙弥のふりをしていた猪麻呂が流民に襲われて叫ぶ「この卑しい食いつめ者どもめ」「下賤の犬どもは地獄に落ちろ!」には薄ら寒ささえ感じました。
因果応報、そう思うけれども猪麻呂は懲りない。
我が子の帰還を信じて胞衣壺を掘り出して喜捨しようとした老尼、彼女の赤銅の鉢を猪麻呂は東大寺まで命がけで運び、そこで開眼供養会に集った公卿に「身の程知らずの乞食め」と象牙の笏でぶたれるわけですが……。
猪麻呂が最初に沙弥を襲ったシーンの再現ですが、この時の猪麻呂は当初の猪麻呂とは別人であって、当初の猪麻呂に等しいのはこの公卿で……とすると、東大寺や大仏を建立した時代背景や、当時の仏教の教え、本音と建前、というようなことまで考えてしまって、不勉強なのが申し訳なくなりました。

ここで、「当時は○○だったわけですから、つまり仏教と一口に言っても……」的なことが言えればカッコイイのかもしれませんが、ただただひたすらにすごい作品だった、としか言えない自分が不甲斐ないです。すみません。


◆たまきこうさん「闇衣」

神話期~弥生時代、奈良時代~平安末期、明治~大正時代というのは、日本史においてファンタジー色が強まる時期だと思うのですが(個人の意見です……)、この「闇衣」でも触れられている京の闇や百鬼夜行、早良親王の祟りなどがどんぴしゃ、当てはまるわけです。だからどうというわけではないですが。

薬子の変についてまったく知識がなかったので、初読ではただ読むことしかできませんでした。もんやりと、映画「陰陽師」のキョンキョンを思ったくらいで。
「必携~」とウィキペでざっと知識を仕入れてから再読して、ようやく「おおお!」となった次第です。
ウィキペに書かれている藤原薬子という人は、天皇に取り入って好き放題やっていた悪女というイメージなのですが「闇衣」の薬子は学があって(ないと宮中には上がれませんよね……)聡明で思慮深い女性です。
闇、つまりは天災であったり流行病であったり、人心を惑わすものと私は解釈しましたが、それに苦しめられる平城上皇のためを想い謀反を起こし、人々の怨みを一身に背負って人柱となりましょう、闇の連鎖を終わらせましょうという愛の深さ。
史実を見事にアレンジされた作品だと感じました。


◆斎藤流軌さん「賭射」

このお話、すごい好きです!「日本史C」で一番好きかもしれません。
十二番目の皇子ともなれば政権争いからも遠かったのか、葛井親王の親しみやすい人柄にまず惹かれました。快活で気さく、けれどその内には大宰帥として京から遠く離れた土地で暮らさねばならない寂しさもあって。
皇家の鬼が現れ、祖父の太刀に対する品として酌の相手をせよとは何とも不釣り合いな、と思ったのですが、調べてみると(またもやウィキペさん)、葛井親王が帥宮として大宰帥となったのは皇室財政の緊縮が目的だそうですね。宴の後、一人で庭を見ながら酒を舐めるような心地にもなるわけです。

そんな親王と鬼との勝負、合奏と狩りのシーンは描写が見事で、雪のちらつく冬の夜を背景にした絵が浮かぶようでした。
また、回想から鬼の正体が田村麻呂だと判明するシーンは、射礼のエピソードが微笑ましく……単刀直入に申し上げて、すごく燃えました!(萌えではない)
葛井親王はこの後、四月に亡くなってしまうのですが、皇室財政の緊縮という理由のもと大宰府に送られた親王の無念や寂寥を汲んで祖父の田村麻呂がカツ入れに来た……と思ってしまうのは、深読みしすぎでしょうか。
大宰府についてや笏拍子の解説など、歴史に暗い私でもすごく読みやすかったです。






この調子で書いているととんでもない分量になりそうなので、今日はひとまずここまで! その2へ続きます。



ワッショーイ!

先週の戦果:35枚


金曜日に「登場人物ふたりの距離がジワジワっと接近するようなしないような、という部分」を書いていたはずなんですが、そのシーンを書き終わったのは昨日でした。
しかも土曜日は執筆できず、その反動か昨日は珍しく22枚も書けたので、要するに「ジワジワっと接近するようなしないような」部分が22枚あるわけでウワー何やってんのー! 中学生日記かー!
ていうか22枚って全体の1/4やないかー!
……と、頭を抱えて転げ回りたい気分です。

伏線を書き足したり、描写を訂正したり追加したりもしてるので、22枚全部が「ふたりがお近づきになる描写」ではないんですが、この配分はひどい。


展開的には「承」が終わり、「転」にかかっています。
あとは、

・町娘だと思ってたおなごが実は亡国のお姫さんだと判明(おひいさん、とお読みなせぇ)
・越後屋そちもワルよのう
・ホッホッホ、お代官様こそ……
・曲者! であえであえ!
・懲らしめてやりなさい!
・印籠
・大団円

これだけ!
でもあと35枚ほどしか猶予がなく……ぐきぎぎぎ。
(※100枚まで上限を引き上げたうえでの残り枚数です)
「大団円」は3~5枚くらいで書けると思うんで(←ひどいな!)、あと30枚か~。

何よりひどいのはこの100枚をよそさまの企画に出すつもりで練ったという……。何枚で書くつもりだったんだ、私!


ちなみに、「日本史C」の感想はいまぼちぼち書いておりますので、もうしばらくお待ちくださいませ。
できれば明日中にはアップしたいです……がんばる。


「リドゥリー・シュライア」2章(4)アップ

「リドゥリー・シュライアの不幸と幸運」 2章(4)アップしました。


来週で2章が終わってしまいます。は……早い……!!
そんなわけで、リドゥリーのはじめてのおつかい編は来週で終了ですが、実質今日アップ分でおつかいは終わってます。
冒頭のネーテの描写と酒屋描写、モリモリ筆が進んだなーと読み返しつつ苦笑い。
やっぱり情景描写(という名の、世界観を作り込んでいく作業)好きなんねえ、と実感してます。
こ……これでも控えたんだぜ……!!


秋の本の原稿もほちほち頑張ってます。
90枚ぐらいが上限で、今のとこ40枚ちょいなんで、あと半分。
話の進み具合としてはまだ半分にも届かないので、後半の巻き返しに期待します。(←他人事のように言う)
ちょうど、登場人物ふたりの距離がジワジワっと接近するようなしないような、という部分なのでニヨニヨしながら書いてます。自分で書いてる話に自分でニヨニヨしてどうすんのって感じですが、まず自分がもえないとアピールとかできませんからねー。うん。
自給自足は虚しいけど基本だと思う……。



秋の本にシフト

先週の執筆枚数:35枚


ここにきてドカンと進みました。週の頭は「石飼」4話を書いていたんですが、4話の「起」を書き終わって一息ついたら違う雰囲気のが書きたくなってしまって……(笑)
梨木香歩さんの「海うそ」、乾石智子さんの「沈黙の書」を読んだら余計にファンタジー熱、魔法熱が上がってきて、秋の本「トリニティ(仮)」の原稿にシフトしたというわけです。
(石飼はファンタジーだけど魔法は出ません……少なくとも、呪文唱えてエイヤー系の魔法は)

「トリニティ」は以前書いた長編と世界観を同じくする短編集です。
短編集、といっても、現在執筆してる100枚の書き下ろしと、15枚ほどの短編を2本再録、というバランスの悪い構成です。
この3篇だけで世界観を説明できるように、再録する2本にはかなり手を入れるつもりなんですが、なかなか配分が難しいですねぇ。
まだ時間はあるので、じっくり考えます。


「リドゥリー・シュライア」2章(3)アップ

「リドゥリー・シュライアの不幸と幸運」2章(3)アップしました。


さて、ようやく章タイトルのアリアンが登場です。遅っ!
彼女はもう少し深く話に絡んでくるはずで、実際絡んでたんですが、本にする時に通し読みしてみるとかなり蛇足っぽい……というか、取って付けた感があって、ばっさり削除しました。
しかしそのせいで印象が薄くなって、(同人誌版では)章タイトルからも降格になったという悲しいエピソードが……。

このあたり、全体のボリュームと登場人物の動向をもうちょっとバランスよく書けたらなーというのは前々からの課題ですが、いっこも進歩してません。
「魔法使いは飛行機械の夢を見るか?」(同人誌)も、本当なら本編中に番外編の情報を匂わせるくらいのことはしたかったんですが……という。
次の作品はもう少し、作品世界の奥行を広げるような書き方ができれば、と思います。


さて、大阪文フリまであと100日だそうです。
つまり3か月ちょっと!(ヒィ)
申し込みが始まったら、新刊の準備を始める予定です。短編集なので、60Pくらいのボリュームで考えていますが、執筆の勢い次第ですテヘ★←

メインになるいちばん長いお話は書き下ろしで、あとの2編は前書いたのを改稿して載っけるつもりですが、いろいろ課題がある中でも「ラブを頑張ります!」というのは前面に押し出しておこうかと(笑)
あっ、でも、ラブがテーマというわけではないので+私が書くものなので、そんなに甘くはならないと思いますが、ニヨニヨできる表現は多めにしたい……な……。

まあ、今の執筆状況はラブになるふたりが出会ったところなんで、ラブのラの字もないんですが。
がんばります……(粛々)




「サカサマのパテマ」あれこれ

先週の進捗:11枚


……もう何も言わんでください……。
週末ちょっとどたばたしてて一枚も書けやんかったんです……。
今週は「石飼」4話をごりごり進めますぞよ。


さてさて。映画館に見に行くつもりだったのに、公開延期や引っ越しで見に行く機会を逃してしまった「サカサマのパテマ」。
同じく吉浦康裕監督の「イヴの時間」がすごい好きな感じで、パテマの情報も追いかけてたんですがオフ事情恐るべし。
で、いつもの通りツタヤディスカスさまでぽちりました。

所々未消化の部分はあるけど、総じて私はめっちゃ好きです!
SF的ツッコミどころは山のようにあるんだろうけれどもそれはそれ、これはこれ。
少年少女のさかさまハグ! という、ラピュタ以来(?)の快挙にテンションだだ上がりです。
ストーリーもわかりやすくて(でもたぶん奥は深いと思う)、「イヴの時間」はかなり大人向けだったけど、パテマは小学生でも大丈夫そう。
人物絵はイヴに比べてアニメ塗りっぽいけど、肌のグラデーションがごっつーきれいでした。空絵はブルっちゃうくらいきれいです。
エンドロールが大島ミチルさん作曲のボーカル曲(エスペラント語?)とか何という私ホイホイ。

一言で言うならラピュタ+ICO。
私はこれ、どっちも大好きなんで褒め言葉なんですが、もちろんツッコミはいろいろあります。(雨林レビュアさんたちは一体何を求めてるのかとたまに恐怖するわけですが)

一回見ただけなんで、見逃しとかあると思うんですが、
・あの腐海用マスクみたいなのは何のため?
・危険区域って何が危険?
・ラゴスのお土産の砂時計、あれは何やったんやろ……。
(単にパテマがラゴスに執着というか甘えてるというか、そういう象徴?)
・カホちゃん(?)がエイジにホの字なんはわかるけど、それ以外の子ども従順すぎね?
・市民登録抹消されたらどうなんの?
・大人たちどこいった?
・あの荒れ地にあったレーダー群みたいなの何ね?
・イザムラさんが「誰も僕と遊んでくんないよー(超訳)」ってなってたのはなんで? ラゴスとの確執?
・ていうかラゴスどうなってたん。
・空はアカン、的通念のある社会で、あのバベルタワー的建造物はナシじゃないかね?
・ポルタちょうおいしいんですけど!
・監視カメラどうやって逃れたん?
・ジャクさんに何があった。
・あのバルスは「天に向かって唾」だなー。


結論:限定盤ブルーレイぽちった。(完)



だが 後悔は ない!!